カルメン・マキ & OZ
1972年には当時18歳であったギタリストの春日博文らとともに「カルメン・マキ&OZ」を結成。メンバーは、春日博文(ギター)、鳴瀬喜博(ベース、後にカシオペア加入)、樋口晶之(ドラムス、元竜童組)。
後に絶対的な評価を受けるグループに成長していくのだが、結成当初は順風満帆とは言えず、所属事務所からはキャバレー回りを強要され、時には客から「こんな曲では踊れない」とビンを投げつけられることもあったと言う。
しかし、こうした地道な活動が実を結び、1974年にポリドールからシングル「午前一時のスケッチ」でデビュー。翌1975年1月にはファーストアルバム『カルメン・マキ&OZ』をリリース。高い音楽性と完成度、そしてマキの歌唱力は高い評価を得、10万枚以上を売る当時のロックアルバムとしては大ヒットとなった。これは、当時のロックが日本の音楽業界ではほとんど相手にされていなかったことを鑑みれば、快挙とも言える。また、同年リリースされたサディスティック・ミカ・バンドの『黒船』とともに、当時の日本のロックの到達点とする評価もある。特にこのアルバムに収録されている約12分にも及ぶ大作「私は風」は、のちにさまざまな歌手、ミュージシャンにカバーされ、その中でも特に中森明菜のものが有名である。なお、この録音前後にマキと春日以外のメンバーが総入れ替えとなっている。ドラムは西哲也、古田宣司の1stアルバム参加を経て、内藤正美が1975年末まで在籍。ベースは千代谷晃を経て、1stアルバム録音の後から、後期OZの音に決定的影響を与えた川上茂幸に替わった。
1975年5月、グランド・ファンク・レイルロードの来日公演で競演。
人気・地位を確実なものとしたOZは、1976年にアメリカ合衆国のロサンゼルスでセカンド『閉ざされた町』を4か月かけて制作。ファーストに引き続き「閉ざされた町」や「火の鳥」といった大作路線を継承しながらも風格を漂わせたものに仕上がっている。「閉ざされた町」でドラムを担当したのは久藤賀一。
翌1977年の10月18日新宿厚生年金会館でのステージを最後に解散。その年の12月にはサードアルバム『Ⅲ』を発表。前2作とは打って変わってポップな楽曲が並んだために現在まで評価が分かれたものとなっているが、むしろ切々と歌い上げるマキの持ち味が発揮された好盤と言える。 また解散の翌年8月にはシングル盤として「私は風」、そして10月の解散ステージと同年5月の日比谷野外音楽堂のライブ音源を収録した『ライヴ』がリリースされている。『Ⅲ』『ライヴ』録音時のメンバーはマキ、春日、川上、武田治(Dr)、川崎雅文(川崎真弘)(Kb)であった。
OZ以降〜活動休止まで
1979年に数回の渡米を経て、ドラマーで当時ロッド・スチュアート・バンドの一員でもあったカーマイン・アピス(元ヴァニラ・ファッジ→カクタス→BB&A)の知己を得、同年彼のプロデュースのもとでソロ『NIGHT STALKER』を発表。
翌1980年には「カルメン・マキ&LAFF」を結成。同年『カルメン・マキ&LAFF』をリリース。「60s:時には・・・、70s:OZ、そして時代は今・・・LAFF」とレコードの帯にあるようにレコード会社からも期待がかかっていたが結局思うようなヒットが出ず、1981年にヘヴィメタルバンド『カルメン・マキ&5X』へと発展解消。1982年にファースト『HUMAN TARGET』、ライブ盤『LIVE X』、1983年にはセカンド『CARMEN MAKI'S 5X』をリリースし、解散。また、この期間には村上龍原作の映画『限りなく透明に近いブルー』の音楽に参加。「青白い夕焼け("リュウ"のテーマ)」を歌っている。
1980年9月と11月に2度の薬物禍があった。これら事件のため、一時的にカルメン・マキ&LAFFは活動停止を余儀なくされてしまった。
1983年には、週刊プレイボーイ誌上でヌードを披露した。
その後1986年にはOZの初代ベーシストであった鳴瀬喜博や松本孝弘(のちにB'zを結成)などがいたセッションバンド、「うるさくてゴメンねBAND」に参加。ライブ活動を中心とする。1987年にはライブ盤『うるさくてゴメンねLIVE』を発表。その後出産、育児に専念するために一時的に音楽活動の休止を宣言した。 Read more on Last.fm. User-contributed text is available under the Creative Commons By-SA License; additional terms may apply.
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